なぜ日本でカツラ産業が発展したか
伝統的に持つ「恥」の意識
日本のように「薄毛・ハゲを隠して、極力ばれないようにする」タイプの男性カツラが、これほど浸透し、連日テレビでもCMが流れ続けるほどの巨大産業になっている国は、まずありません。
逆に言うと、それだけ日本は薄毛・ハゲに対して厳しい国ということになりますが、それはどうしてでしょうか。それは、日本人が伝統的に持つ「恥」の意識でしょう。
まず、まわり全体と同じでなくてはいけない、といった画一化教育が幼少の頃から行われ、まわりと違うものは排斥されていく傾向があります。それゆえに、少数派である髪の無い方は、多数派であるそれ以外の人達から、より強い圧迫を受けやすいのです。
経済的な側面も、もちろんあるでしょう。終戦直後のように食べるだけが精一杯の時代に、たとえ格好よくなりたいからといって、多くの男がカツラに大金を出すとは考えられません。
ですが、ある程度豊かにもなり、衣食住も満たされてくると、今度は見栄えを気にするようになるのが人の常です。
二大カツラメーカー、アートネイチャーの創業が昭和40年アデランスが同44年。まさに高度成長期で、豊かさとともに仕事の複雑化などによって、髪の毛の大敵である現代型ストレスが飛躍的に浸透していった時期にあたります。
ストレスで、円形脱毛症になったり、頭髪が薄くなってきたりと悩んでしまい、カツラで頭をカバーしようとする人が増えてきたために、カツラメーカーも成長してきたと言えます。